友人のお母さんが亡くなりお通夜に参列しました。面識があっただけにとても驚いています。ここ数年友人、知人の親が亡くなることが続いています。私も一昨年の夏に母親を亡くしました。その当時のことを振り返ってひとつの言葉を思い出しました。それは、立ち食いそば屋のご主人が話していた言葉です。当時母親は余命1ヶ月で入院していました。当時は会社勤めをしていて出張の帰りに立ち食いそば屋を利用していました。ちょうど夏の高校野球の県予選の決勝が行われていて桐一と前商のどちらが勝ったかご主人に質問すると前商が勝ったよ。去年前商は桐一に負けて涙を流したんだよ。「涙を流して強くなったんだよ。人間は涙を流して強くなるものなんだよ。」と。病室へ行き死に近づく母を見ていると自然に涙があふれてきていた時期だけに、この言葉が印象的に残っています。約1ヶ月後母は息を引ききとりました。この死を通じ自分なりに感じたことは、自分もいつかは死ぬ。それが明日なのか1年後なのか10年後なのかはわからない。つまり、死ととなり合わせているのだなと思いました。そう考えると今までの生き方でよいのかと迷い始め、結果、1度かぎりの人生を後悔しないで送るために農業で生きていくことに決め現在に至っています。今から思うと母親の死が農業へ1歩踏み出す後押しをしてくれたのかもしれません。あの時涙を流したおかげで強い気持ちを持って農業に取り組めているのではないかと思います。そう考えると、親の最後の仕事は死に様を子孫みせることなのかなと思いました。